FLOOR 9

「早く新しい黒魔術試してみたいなぁ……手頃な獣でもいないかしら」
どこか吹っ切れたような余裕をもって、あゆみは9Fの探索を始める……。

「あ、手頃な獣……って、なんか様子が変?」
確かに獣ではあったが、害意が感じられないどころか何やら苦しんでいる様子だった。
よく見てみると、魔物のヒナが何かを喉に詰まらせている事が分かった。

「大丈夫、私、変な石像に手を入れた事だってあるんだから」

無事にヒナの喉に入っていた異物を取り出してやることができた。
「これは……宝石!?」
思わぬ収獲に喜ぶあゆみであった。

… … …

この階から、厄介なヨロイリュウに加えてサクランフクロウが登場するようになる。
混乱を使う敵は鹿以来である。厄介すぎる。
もちろん混乱したらそこで試合終了なのは分かっているので、画像の場面ではESCAPEした。
HPが1ならライフトレードで片付けられるんだけど。

それにしても、混乱に弱いのはなんかあゆみちゃんらしくていい。顔芸祭り開催だよ!

1層の頃は数が出て来るとそれだけで詰みだったのが、ライフトレードのおかげで(HPが低い敵なら)問題なく倒せる。
また、グリモアトレード解禁のおかげで素早さブースト★のグリモアを装備しているので、前後列に別れている敵も普通に(病毒の一撃で死ぬ相手なら)病毒2回で倒せたりする。

… … …

探索を進めていると、扉を開けた途端に強烈な殺気を感じた。
「ひっ、またヨロイリュウ!?」

「……あれなら見て避けられるから、いっか」
完全に樹海探索に染まっているあゆみ。
何ということもなく、サボテンのような魔物を回避した。

「これくらい……なんとも、ないんだからっ」
魔物との根比べに勝利し得意げになっているものの、その息は荒い……。

… … …

「あれ、もう着いた」
何度かサボテンのような魔物に追い回されただけで、次の階段まで辿り着いてしまった。

追われたせいでまともに探索できておらずスカスカの地図を眺めていたら、ブック・オブ・シャドウズが震えだし、自在に移動が出来るようになったと主張している。

「ありがたいけど……どういう基準なんだろ?」
「気分だ」
「久々にしゃべった」

GET NAME TAGS

なし