RUIN FLOOR 2

炎の魔人をあまりにもあっさり撃破したあゆみは、とりあえず大臣に報告に向かった。
「なんか楽勝だったのよ」
信じられない報告に、大公宮は一時騒然となったという。
当然、酒場でも注目の的となり、今日は祭りだなんだと騒ぎ出す始末。

お祭り騒ぎの中、ふと耳にしたエスバットの言葉に思わず眉をひそめるあゆみ。
「偉そうな事言って通せんぼして……私あんまり好きじゃない」
流石ライバルは違うな、などと言われ盛り上がっていたところ、酒場のマスターが一枚の紙を持って近付いてきた。

「その天神小サバイバーの腕試しに、こんなところなんてどうだ?」
それは、前にも行った事のある遺跡の探索依頼であった。
「なんかよくわからんが……いつの間にか先に進めるようになっていたらしいんだよ」

炎の魔人を倒して何となく浮かれていたあゆみは、依頼を快諾した。

というわけで、ギンヌンガ2Fの探索を開始。
始めに書いておくと、苦戦する雑魚は特にいなかった。
画像の編成はシロショウジョウに毒を入れれば後はひたすらDEFENCEして攻撃を食らってライフトレードしておけば問題ない。
(睡眠を毒で上書きできない事に注意)

… … …

探索を続けていると、蜘蛛の巣がびっしり張られた部屋に出た。
「……っ」
天神小を彷彿とさせる不気味な光景に思わず身構えるあゆみ。

「あれ、蜘蛛……?やだぁ……」
それは、現実世界でもよく見かける蜘蛛が巨大化したもの。
身近な存在が異形と化した事で、今までの大型モンスターを見た時よりも遙かに嫌悪感を抱く事となった。
天井を這うそれに怯えながら探索を続ける。

「これって糸、よね」
徐々に接近してくる蜘蛛を見上げながら、改めて確認する。
天井に張り巡らされている糸が下まで伸びてきているようだった。

ここで糸に火をつければ、導火線のように火が蜘蛛の方まで伝わっていかないかと思案する。
「まさか……ね」
こんな時でも常備しているろうそくを取り出し、火をつけてみる事にした。

「おおー」
あまりに浅はかな思考だったものの、見事に思い通り蜘蛛を落とす事に成功した。
遺跡の奥底へと沈んでいく蜘蛛を見下ろしながら一安心するも束の間。

「え、やだ、きゃあぁ!!?」
燃えカスとなった蜘蛛の糸まで次々に落ちてきて、あゆみは逃げ惑う羽目になった……。

レッドハギスはHPが高いものの、このLvならTEC依存攻撃の威力はさほどでもない。
病毒入れてライフトレードすれば勝てる。

シユウ(ゴッドイーター2かな?)は、頭封じ効果のある技を使ってくる。
開幕病毒であとDEFENCEしておけばOK。もし先制で使われたらESCAPEしかなくなると思う。

バグベアは「熱病の棍」という技を使って来る。
ダメージは大した事ないんだけど、「HP回復量を下げる」という特殊な効果があるので、バグベア自体を倒したとしても後ろのレッドハギスと戦う時にライフトレードでの回復が殆ど期待出来ず危険である。
最初に腕封じを使い、熱病の魂の発動を阻止してから病毒で倒すと安定する。

… … …

探索の末、あゆみは遂に雰囲気の違う部屋を発見する。
扉の奥からはバジリスクの時に似た、独特の殺気が感じられた。
「何が出てきたって大丈夫なんだから、たぶん」

… … …

ギミックを使ったうえで挑戦してみたんだけど、それでも全然歯が立たなかった。
まず、毒技を使って来るので、キマイラの時にも使った毒完全耐性アクセサリを装備するのが前提となるのだが……。

堅殻を使った状態でポイズンバイトを喰らうとこれ。
そのうえ沼による毎ターンダメージもどんどん上がっていく。
ライフトレードは1対1だと回復が追いつかない。
全封じも飛んでくるのでパリングも素早さブーストもなかなか発動しない……。

そして何より、致命的に火力が足りない。
ライフトレードLv1のダメージは、HPを減らしたうえで220程度。
テラーの自滅は殆どダメージソースにならない。
病毒に至ってはそもそも完全耐性を持っている。

… … …

何度目かのファクト・ループを終えたあゆみは、とっくに痛みが消え去った腹を押さえながらベッドの上でうずくまっていた。
そしてアラクネーとの戦闘をこう結論付けた。
「あんなの勝てるわけないよ……」

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