あゆみが天空の城の3階に到着すると、またしてもオーバーロードの声が響く。
あゆみが天空の城の3階に到着すると、またしてもオーバーロードの声が響く。
突然何を言い出すのかと思うあゆみだったが、オーバーロードはこう続けた。
「不死……いにしえより諸国の王が求め、そして得られぬまま死したもの……我はそれを得たのだ」
「そ、そうなんだ」
更にオーバーロードはこうも語った。
「諸王の聖杯……それが人に死を乗り越える力を与える」
死を乗り越える力、という言葉に一抹の不安を覚えるあゆみだったが、ここまで来て引き下がる選択肢などあるはずもなかった。
「汝、心してくるがいい。この階には、かつて歴戦の冒険者であった者がいる。当然、諸王の聖杯の力によって昔とは違う、より強靱な体と化しているのだがな……」
「諸王の聖杯って……使ったらどうなっちゃうの?」
あゆみは真実を確かめようと、先の部屋へと進んだ。
オーバーロードは、かつて歴戦の冒険者であった者がいる、と言った。
だが今目にしているのは、どう見ても人ではない存在……あゆみはただただ絶句するしかなかった。
広間には楽しげな声が響いてくる。
「確認したか?土に堕ちた者どもよ。あれこそ我が研究を守るガードマシンとして不死の力を得、魔獣と化したジャガーノート!」
「さあ、踊れ。そして汝と我の作り上げた力のどちらが勝るのかを見せてくれ!」
こうして、絶望的な戦いが幕を開けた。
結論から書くと、ハルピュイアと同じくパターンが分かってしまえば意外といけるものの、長期戦かつ運が絡むので死亡回数以上に辛い戦いとなった。
HPと耐性を確認。
もっとも、今回は封じも毒以外の状態異常も使う気はない。
HPが異常に高い。
マップギミックをフルに活用してHPを減らしても43200と恐ろしい数値である。
これを見ただけでうんざりしてくる。
ここまで高いと、毒ダメージを2倍にして削る戦法はほぼ無意味なので、料理はTPが毎ターン回復するものを選択した。
ジャガーノートの行動は以下の通り。
バーサクハウル:敵味方全体に攻撃力上昇
ブン回し:拡散攻撃+腕封じ
巨角の一撃:貫通攻撃
完全破壊:全体攻撃+防御低下
腐った息:全体毒・盲目付与
他にも技はあるが、特定条件でしか使ってこない。
激しい咆哮と王者の爆進は、どうやらバーサクハウル後味方に強化がかかっていると使ってくるものらしいのでグリモアスキルのクリアランスで回避可能。
蛮勇の障壁は属性攻撃を使ったターンの終わりに使ってくるが、ダメージソースのライフトレードは無属性なのでこれが使われる事はない。
属性攻撃は有効ではあるものの、術掌スキルを使う暇がないので属性攻撃は使わない。
あゆみちゃんのステータス及びスキルは以下の通りである。
極力TECを上げる装備で、更に毒を無効化するアクセサリも使用。
被ダメージがHPぎりぎりであり、毒を喰らうと立て直せないからである。
更に言うとHPぎりぎりというのは、HPブースト込みでの話。
TPについては料理とアイテムで賄う事にして、とにかくHPとTECを確保するようにした。
そんなぎりぎりの被ダメージは以下の通り。
DEFENCEはそもそも使う事がないので、メモっていない。
行動 | ダメージ |
---|---|
ATTACK | 304-311 |
完全破壊 | 335-342 |
ブン回し | 336-349 |
巨角の一撃 | 347-363 |
上の画像にもあるように、あゆみちゃんのHPは371である。
これは全快の状態から巨角の一撃を食らうとぎりぎり残る量である。
つまり、攻撃を受ける時は常に全快である必要がある。
そして全快にするには、ライフトレードの威力を先の先で上げる必要がある。
検証してみて分かった事だが、先の先を外すとライフトレードの威力が足りずHPが全快にならないのである。
ジャガーノートが使う技の中でも飛び抜けて厄介なのが、完全破壊である。
被ダメージが1.45~1.5倍程度に上昇するので、全ての技で確1にされるようになってしまう。
対策は、チェインダンスで避けるか、次のターンに攻撃技が来ないターンで受けること。
可能な限り確率を上げるべく、避けるために素早さブーストとチェインダンスのグリモアを採用してはいる。
というわけで戦法を解説する。
基本は攻撃を受け、ライフトレードで回復しつつ攻撃。
回避するなどして余裕ができた場合はアムリタを使ってこまめにTPを回復する。
バーサクハウルが来たら次のターンでクリアランス。
完全破壊を喰らったら、バーサクハウルが来るまで攻撃をチェインダンスで避ける。
バーサクハウルは完全に固定周期で使用するので、バーサクハウルのターンになったらライフトレードで回復して次のターンでクリアランスすればOK。
腐った息については、一部例外はあれど高い確率で使う周期が決まっているので、「次に腐った息が来るのを読んで行動する」のは有り。
以下に、実際に撃破したときのジャガーノートの行動とあゆみちゃんの行動を示す。
ジャガーノートは、17ターン目までは行動が固定されるようなので、こちらがとる行動もほぼ固定でいける(攻撃を回避した後、臨機応変に変更する程度)。
それからは数ターンおきに行動が分岐するようなんだけど、あまり解明はできていない。
ちなみに表は、マップギミックフル活用でジャガーノートのHPを可能な限り削っている状態で、先手を取っていて、あゆみのHPが1になっているものとする。
TURN | ジャガーノート行動 | あゆみ行動 |
---|---|---|
1 | - | ライフトレード |
2 | バーサクハウル | フォースブースト+病毒の呪言 |
3 | ATTACK / ブン回し | クリアランス |
4 | ATTACK / ブン回し | ライフトレード |
5 | 完全破壊 | ライフトレード |
6 | 巨角の一撃 | チェインダンス |
7 | バーサクハウル | ライフトレード |
8 | ブン回し | クリアランス |
9 | 巨角の一撃 | ライフトレード |
10 | 完全破壊 | ライフトレード |
11 | 腐った息 | ライフトレード |
12 | バーサクハウル | アイテム→アムリタ |
13 | 巨角の一撃 | クリアランス |
14 | ATTACK | ライフトレード |
15 | 完全破壊 | ライフトレード |
16 | 腐った息 | ライフトレード |
17 | バーサクハウル | アイテム→アムリタ |
18 | 完全破壊 | - |
19 | ブン回し | - |
20 | 腐った息 | - |
21 | 巨角の一撃 | - |
22 | バーサクハウル | - |
23 | 完全破壊 | - |
24 | 腐った息 | - |
25 | 巨角の一撃 | - |
26 | 完全破壊 | - |
27 | バーサクハウル | - |
28 | 腐った息 | - |
29 | 巨角の一撃 | - |
30 | 完全破壊 | - |
31 | 腐った息 | - |
32 | バーサクハウル | - |
33 | 巨角の一撃 | - |
34 | 完全破壊 | - |
35 | 腐った息 | - |
36 | 巨角の一撃 | - |
37 | バーサクハウル | - |
38 | 完全破壊 | - |
39 | 腐った息 | - |
40 | 完全破壊 | - |
41 | ブン回し | - |
42 | バーサクハウル | - |
43 | 腐った息 | - |
44 | 完全破壊 | - |
45 | ブン回し | - |
46 | 腐った息 | - |
47 | バーサクハウル | - |
48 | 完全破壊 | - |
49 | ブン回し | - |
50 | 腐った息 | - |
51 | 完全破壊 | - |
52 | バーサクハウル | - |
53 | ブン回し | - |
54 | 腐った息 | - |
55 | 巨角の一撃 | - |
56 | 完全破壊 | - |
57 | バーサクハウル | - |
58 | 腐った息 | - |
59 | 完全破壊 | - |
60 | ブン回し | - |
まず、上の表はジャガーノートの行動パターンの一例であって、確実にこのパターンで動くわけではない。
だが、この表から以下の事が確認できる。
・バーサクハウルは5n+2ターン目に確定で使用
・完全破壊は物理技を2回使用した後に使用する可能性が高い。ただしバーサクハウルのターンだった場合は1ターン分ずれる
・腐った息はバーサクハウル以外の技を2回使用した後に使用する可能性が高い。ただし同上
たまに妙なターンに完全破壊が挟まるが、イサの流れが向いていなかったということで。
上記のことを把握できていれば、ジャガーノートを撃破する事は可能である。
あとはひたすら試行を重ねれば勝てる。
あゆみが死力を尽くしてジャガーノートを撃破すると、どこか嬉しそうな声が聞こえてくる。
「もはやいかなる魔物でも、汝を止めることは不可能。ならば仕方あるまい、最上階である25階まで来るがいい」
広間の床をすっかり血塗れにしたあゆみは、立ち上がるのもやっとという様子で声を上げた。
「エレベーターくらいつけてよお……」
甘えを許さないオーバーロードの所まで辿り着くには、もう少しだけかかりそうだ。