FLOOR 25

あゆみは遂に、オーバーロードが待つという天空の城5階へと辿り着いた。
「絶対に、聖杯を手に入れないと……!」
天神小のみんなは私が助けるんだ。
改めて決心を固め、未知の魔物が跋扈する最終フロアの探索を始めた。

… … …

ここではゼラチンキングが登場する。
単体で現れた場合は高確率で仲間のイエローゼラチンを2体を呼ぶ。
攻撃はTEC依存なのであまり怖くはない。

イエローゼラチンとの連携技である爆雷陣は、6回多段攻撃なので流石にかなりHPをもっていかれる。
DEFENCEすれば耐える事自体はできるんだけど、イエローゼラチンが中確率で使って来るパワーゲルがくせもので、これを使われた後に爆雷陣されると耐えられず死ぬ。

探索中に見かけるのは、動く騎士像やら爆弾やら丸い機械兵と、今まで出てきた仕掛けを組み合わせた警備システムの数々。
もはや慣れたもので、爆弾を誘導しつつ次々と破壊して突破していく。
「持田くんが見たら褒めてくれるかな♪」
よく分からないテンションで5階を爆進するあゆみであった。

これは25階でよく見かける編成。
DEFENCEをしないでおくと、HP全快から丁度良くぎりぎりまで減らされるので、後ろに病毒→ライフトレードで殲滅できるので、良心的な編成と言える。

この編成もよく見かける。
DEFENCEすればぎりぎりHPが残るので、上に同じくライフトレードで殲滅可能。
……もちろん画像のように稀少個体がいなければの話だけどな!

そんなわけで稀少個体や被先制で事故らなければ、25Fの探索は結構楽だった、と思う。
事故らなければ。

… … …

「うわ……ここってやっぱり……」
血のように赤い、誰が見ても禍々しい扉を発見し、あゆみは戦慄した。
扉の先から漂う威圧感は、間違いなくオーバーロードのものだという確信があった。
きっと、諸王の聖杯を携えたオーバーロードが待ち構えているのだ。

「入りますからねー!」
あゆみは緊張を紛らわせようと、無意味と知りつつも大声をあげて勢いよく扉を開けた。

… … …

「……?」
目の前にオーバーロードと思われる人の姿はなく、ただ訳の分からない物体が鎮座しているのみ。
そして周囲には、これまで見たことが無いような物品が心狭しと並んでおり、爆弾の機械とも異なる駆動音が鳴り響いている……。
オーバーロードは何処に居るのかと周囲をきょろきょろと見回すあゆみに、不意に声が投げかけられる。
「へ!?」
……それは、目の前に鎮座する奇妙な物体からであった。

「もしかして、あなたがオーバーロード?」
「その通りだ」
これにはあゆみも度肝を抜かれた。
が、今まででも何度も驚くべき光景を目にしてきたのである。
このくらいなんだ、と心の中で言い聞かせた。

オーバーロードは話を続ける。
「ここは我らが古の大地より空に逃げる為に作ったもの。古代の箱舟になぞらえたものだ」
箱舟。
城内にあるボタンを押した時に聞いた記憶がある。
「でも、箱舟計画は失敗って……」

一瞬の間。
「……そうだ。遺伝子研究を得意とした彼女さえいれば……諸王の聖杯は完成したものを」
諸王の聖杯は……完成していない?
胸に不安がよぎる。
そんな事はお構いなしにオーバーロードは続ける。

「だが、今言っても仕方ない。我は一人でも研究を続けみなを救うのだ!汝の目的が聖杯ならばそれを渡す訳にはいかぬ!」

「か……かいじん?って、何……?」
とにかく、あゆみにとって最後の戦いが始まった!

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