しばらくの間、装備を整え、霊具も厳選したものを揃えた。
そして再び、あゆみは血のように朱い扉を開き、オーバーロードと名乗る圧倒的な存在と対峙する……。
しばらくの間、装備を整え、霊具も厳選したものを揃えた。
そして再び、あゆみは血のように朱い扉を開き、オーバーロードと名乗る圧倒的な存在と対峙する……。
まずはオーバーロード第1段階。
こいつは完全パターンで、かつ毎回安定して勝利可能である。
もっとも、この段階で安定して勝てなければ第2段階で困るのだけど。
以下に必勝パターンを示す。
TURN | オーバーロード行動 | あゆみ行動 |
---|---|---|
1 | LRDA(テラー・混乱?) | DEFENCE |
2 | VOID3(微弱無属性) | DEFENCE |
3 | MACV(物理カウンター) | DEFENCE |
4 | VOID2(弱無属性) | DEFENCE |
5 | AACV(属性カウンター) | DEFENCE |
6 | VOID1(無属性) | DEFENCE |
7 | REPAIR(1000回復) | DEFENCE |
8 | VOID0(強無属性) | DEFENCE |
9 | VOID0 | ライフトレード |
10 | VOID0 | ライフトレード |
11 | VOID0 | ライフトレード |
12 | VOID0 | ライフトレード |
13 | (撃破) | ライフトレード |
LRDAはどの状態異常を喰らったとしても8ターン目までには必ず治っているので関係ないし、カウンタースキルも防御していれば関係ないし、VOID0は素で耐える事ができる。
よって、ボタン押しっぱなしで勝ててしまう。
むしろボタン押しっぱなしでライフトレードを連発しないと、回復が追いつかないくらい。
この通り倒すのは楽勝だが、TP消費が多い事に注意。
「あ、あれ……」
倒したかのように思えたそれは、静かになったかと思うと再びあゆみに語りかけてきた。
「我を倒すとは、汝の力かなりのもののようだ」
この余裕、確実に何か裏があるに違いないと思い、身構える。
「だが、戦いだけが全ての解決には繋がらぬ」
話し合いで済むのなら、それに越したことはない。
「それなら……」
しかし、あゆみが抱いた希望は脆くも崩れ去る。
「我が研究は未だ途中。人を作り変えるシステムは完成したものの……」
「我は聖杯を完成させねばならん。永遠に生きる命を求めて……その為には汝に負ける訳にはいかぬのだ」
いつ再び攻撃を仕掛けてきてもいいよう、眼前で佇む甲殻を注視していたが、ここで意外な提案をしてきた。
「そこで、だ。我が力を以って、汝に永遠の命……人を超える力をやろう」
人を超える力。
「その代わり、汝は聖杯を諦めてここから立ち去るのだ」
人を超える力を手に入れれば、みんなを助けられる……?
「……悪い話でもあるまい。人を超える力を得ることができるのだ」
どうだ、と言って返事を待つオーバーロードを前に、あゆみは少しだけ考え、口を開いた。
「……みんなの事はもちろん大事だけど、永遠の命なんて欲しくないし、それに、」
ブック・オブ・シャドウズを構える。
「普通の人間なんてもうとっくにやめちゃってるんだから!」
それがあゆみの答えだった。
「それが、汝の答えか。ならば仕方あるまい。我が、真の力で汝の相手をしよう」
「し、真の力……?」
突如、甲殻が変形を始めて天空の城の宙を舞う。
その男はさながら巨人の如く姿を変え、剣を構えて威圧感を放ちつつ不敵に笑っている。
あゆみも負けじと、ブック・オブ・シャドウズの力を引き出して浮かび上がり、オーバーロードに立ち向かった。