FLOOR 13

早速13Fの探索を進めるべく準備をしていたところ、酒場のマスターから声が掛かった。
「なあ、一つ頼まれてくれねえか?一言で言やぁ仇討ちの依頼なんだが……」
アラクネーとの戦いで、力不足を感じているあゆみ。
少しでも経験になれば、と依頼を引き受ける事にした。

薬草を採りに行った男が戻らないので、男を襲った獣にも同じ目に遭わせて欲しい……という依頼であった。
早速現地に向かうあゆみ。

「あ、なんか草が生えてる。これが薬草かな」
薬草を摘みに行って命を落としたというのなら、この辺りに居てもおかしくない。
そして、あゆみという新たな獲物を見つけた魔物が草むらから飛び出し、襲い掛かった。

病毒とライフトレードLv20で余裕の撃破だった。
尾撃で170くらい喰らうからライフトレードにはもってこいの敵だよ。

あゆみは突然の敵襲に見事対応し、撃退する。
手慣れたものである。
「だいぶ我を使いこなすようになってきたようだ」
ブック・オブ・シャドウズに褒められ、複雑な気分になりつつ、周囲を調べると……

そこにあったのは人の骨だった。
無残に食いちぎられたそれは、天神小でもよく見かけた光景。
「手の所の装備が残ってる……それに薬草も」
最後の瞬間まで薬草を握り締めていた男に祈りを捧げ、証拠にと手甲を持ち帰ることにした。

… … …

ひとしきり報告を行った後、重い空気が漂う。
そんな中、空気を変えようとばかりに酒場のマスターが新たな依頼を紹介してきた。
「重い依頼を任せちまってすまなかったな、その礼と言っちゃなんだが、ついさっきこんな依頼が来た所でな」

「お宝?」
宝らしき物を見つけたが、取りに行くのが困難なので代わりに取りに行って欲しい、何があるのか気になるだけだから、現物は貰ってしまって構わない。
……という内容の依頼である。

そんなものに構っている暇はない、と言いかけたものの、折角酒場のマスターがわざわざ楽しそうな依頼を持ってきてくれたのだ。
あゆみは空気を読む事にした。

「あれ?依頼主の方は?」
依頼の洞窟の前には、衛士が一人立っているのみだった。
衛士一人で大丈夫なのかと思ったが、確かにこの辺りに獣の気配はない。
で、肝心の依頼主はというと、急用があるらしくこの衛士に伝言を任せて帰ってしまったらしい。

「なんか適当な人だなぁ……」
依頼主の適当さに疑問を覚えつつも、宝らしきものの場所についての説明を受けた後、衛士に見張りを任せて洞窟の中に入る事にした。

「ん……とれ、ないっ」
無防備な姿で宝物らしきものを取ろうと試行錯誤するあゆみ。
「何か他に方法は……え、何?笛の音?」
外から謎の笛の音が鳴り響くのが聞こえたのとほぼ同時に、先程の衛士の悲鳴も聞こえてきた。

何事かと思って洞窟の外に出たあゆみを待っていたのは、ギチギチと音を立てて迫り来る大量の獣の姿であった。
「え、待って、いやあぁ!」

これ絶対死んだと思ったんだけど(被ダメージ100)、攻撃する奴といらつく羽音を使う奴が半々くらいで、いらつく羽音の頭封じ付着は回避できたのでどうにかなった。
本当はちゃんとHP減らした状態で挑むのが正解だと思う。
減らすのめんどくてな。

獣の群れを退けたあゆみは再び洞窟に戻るも、宝らしきものは影も形も無くなっていた。
「もう、どうなってるのよ!」
悪態をつきながら街へと帰ることにした……。

… … …

クエスト消化が長くなってしまったものの、ようやく13F探索開始だ。
FOEさえ回避できていれば、雑魚は大して印象に残るやつはいない。
ただしスレイプニルは見かけたら逃げる。

探索中、これまでも何度か見かけた氷の塊を発見した。
更に、目の前には禍々しい見た目の魔物が見える。
「これすごく滑るし、勢いよくぶつけたら倒せたりしないかな」

「倒せちゃった」
あまりにもあっさり絶命する目玉の魔物。
念のためブック・オブ・シャドウズに聞いてみるも、何もしていないと言う。
魔物がこちらに氷の塊をぶつけてこない事に感謝しつつ、先に進む事にした。

ここまで特に困る敵編成はなかったけど、これはいけない。
このHPだとESCAPEしかない。

ESCAPEすら許されない事もあるのが難しい所だけど。

目玉の妨害を切り抜け、遂に次の階段に到着した。
フロアを把握した事を知らせるブック・オブ・シャドウズを見ながら、今回の探索を振り返る。

「もうあの馬みたいなの見たくない……やだ……」

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