FLOOR 15

15Fに到達したあゆみは、一旦情報収集にと街に戻った。
ギルド長によれば、15Fには厄介な魔物がいるのだという。

(人間の女の……それって、もしかして)
涅槃によって生み出された存在が、この世界の人間にまで危害を加えている……とあゆみは思った。
「私のせいだわ!」
「いや杞憂だろうそれは」

あの2人は、なんとしても自分の手で止めなければ。
思い込んだら止まらないあゆみであった。

… … …

この階からスノーバードが登場する。
属性防御ダウン技を使って来るため、今までボーナス技だった流氷の尾びれが脅威となる。
が、それ以前にスノーバードは通常攻撃で100とか与えてくるので、敵の気まぐれで簡単に1ターンキルされる。

ビッグスノー単体が出現する編成もあるので、ESCAPEが捗る。
こんなん戦ってられない。

… … …

先を急ぐあゆみの前に、複数の狼が立ち塞がる。
「あーもう!あれ、何とかならないの?」
「なんともならん」
焦っても追い詰められるだけである。あゆみは狼の目を盗み慎重に進んだ。

危ない石像、毒は入るものの毒ダメージだけでは落ちない。
この編成なら石像に病毒→ライフトレードで倒す事ができるものの、もっと数が増えたらどうなることやら。

… … …

狼達を振り切ったあゆみは、殺気の漂う扉を発見した。
この気配は、間違いなくあの2人のものだと確信した。

そう、憂いを帯びた声で告げる老人を無視してあゆみは叫ぶ。
「涅槃が生み出した魔物!黒魔術で倒してやるんだから!」
「は?」
ブック・オブ・シャドウズを掲げ、戦いを挑むあゆみ。

「お嬢様!こやつは錯乱状態のようだ」
「は?よく分からないけど……ここであなたの冒険を終わりにしてあげる!」

さあエスバット戦だ。
HPはアーテリンデが4900、ライシュッツが4700。
毒ダメージは料理効果を含めて900近く出る。
だいぶ勝機はあるように思える。

うまいこと攻撃を回避したら3ターン目でここまで削れる。
腕封じがかなり大きい。ライシュッツのスキルは一通り封じる事ができるから。
アーテリンデの毒が解けるのがやたらと早かったんだけど、毒耐性というのはターン数も減ったりするんだろうか?

ライシュッツは腕封じで完封できるが、アーテリンデはスタンと毒以外に完全耐性を持っているので、攻撃は避けるしかない。
ダメージは140程度であり、ライシュッツの攻撃と共に喰らうと死んでしまう。
例外は3色ショットで、ダメージが少ないのでアーテリンデの攻撃+3色ショットならぎりぎり生き残る事もある。
相手が2人いる(=ダメージを与える対象が多い=HP回復量が多い)おかげで、ライフトレードさえ使えば確実に回復が追いつく。
グリモア装備の素早さブーストや盾マスタリーを使って、少しでもダメージを喰らわないようにする。

アーテリンデは、どちらかが状態異常を喰らった状態だと、4ターン目に描かれた花を使う傾向にある。
回復量こそさほどでもないが、発動が早いうえに(ドクトルマグスの類似スキルから予想するに、最速?)状態異常回復まである。
つまり毒が解除されてしまう。

この技を使われないようにするには、
・1ターン目にアーテリンデに毒が入る
・毎ターンライフトレードを使える状況(=HPがぎりぎり残った状況)になる
この2つを満たせば、4ターン目になる前にアーテリンデが巫剣解放するので描かれた花を使われる事はない。
言うまでもなく運ゲー。

描かれた花で毒が解除されたまま、ライシュッツがアクセルブーストするとこうなる。

眠っているのは亡者の灰のせい。
これ以降は、睡眠完全耐性のアクセサリを装備するようにした。
麻痺とか盲目でも、2人の攻撃が必中になって詰みかねないんだけど、テリアカβが使えればまだ避ける事はできるし。

このダメージが十数回くるの考えたら面白かったのでついスクリーンショット撮った。

何回かやっているうちに勝てるパターンが見えてきた。
これは、突き詰めれば都合の良い確率をいかにひけるかどうかの運ゲーである。
エスバットの2人はHPが低く、1戦も10ターンいくかどうかで終わるので、運ゲーといえどだいぶ気が楽な方の運ゲーになる。
どうせ1回勝てればそれでいいのだから。
そこで、以下に勝てるパターンをまとめてみた。

・1ターン目に病毒の呪言が2人に決まる
→毒によってライシュッツだけ削ってしまうと、ライシュッツ撃破後強制的に巫剣解放が発動し森羅万象の前に撃破できない。
アーテリンデは毒耐性が△でやや掛かりにくいので、フォースブーストを使って良い。
・1ターン目の亡者の灰が外れる
→状態異常にかかった場合、必ず回復しないといけないので他の行動が出来ずに押し切られる。
・2ターン目にライシュッツへ腕封じが成功し、かつ敵の攻撃を回避するなりして生き残る
1ターン目でフォースブーストを使っているので、封じは確実に成功するはず。
腕封じが成功すれば、3色ショットも高速乱射も使えなくなりライシュッツは機能停止するので、以後はアーテリンデの攻撃(140程度)だけ受ける事になる。
ただ、1ターン目でライシュッツの通常攻撃を食らっている場合はHPが100近く減っているため、アーテリンデの攻撃が当たると死ぬ。
これをお祈りして避ける必要がある。
更に、盾マスタリー発動の為に盾を装備している場合、行動速度が下がりライシュッツに先制される可能性がある。
・3ターン目以降、死なない程度にHPの大半が減る
ライフトレードのダメージを上げる為。
描かれた花は使われても一応何とかなる。
ただし、ライシュッツの腕封じが解ける前に倒せなければ詰み。
腕封じはかなり長い間続くので、描かれた花で毒を回復されたとしても、再度かけ直す試行回数は稼げなくはない。
毒をかけ直したうえで、ライフトレードも何度かしてればライシュッツくらいは十分削りきれる。
・巫剣解放後のアーテリンデの攻撃の追加効果を喰らわない
巫剣解放後、初手で盲人独笑を使われると防御が下がるので危険。
この頃にはライシュッツは死んでいて、ライフトレードの回復量が下がる為、防御ダウン状態に喰らった攻撃の回復は追いつかない。
その為、初手ではもつれ糸を使ってきて、かつ頭・脚封じを喰らわない事を祈る。
巫剣解放後2ターン目に盲人独笑を使われる分には問題ない。
防御がダウンしていたとしても、その次のターンには森羅万象が飛んでくるので、どうせ倒さないといけないのだから。

とどめのライフトレードのダメージはこんな感じ。
アーテリンデのHPが4900なのを考えると、結構出る方でしょう?

… … …

死力の限りを尽くし、あゆみはアーテリンデとライシュッツの撃破に成功する。

「よし、あとは……えーと……そうだ、成仏して」
エスバットの2人は、信じられないものを見たという表情であゆみを見つめている。

「おかしい……なんで!?なんで成仏しないの!?」
息も絶え絶えのあゆみに、鮮血に染まった白雪の上にへたりこむ少女が応じる。
「落ち着いて……私達の話を聞いて」
「うむ……」
何故このような事をしていたのか、説明を始める2人。

………

「えええー!?」
あゆみの奇声が白き森に響き渡った。

「では、どうしても樹海の探索を止める気はないようだな」
「私には私の事情があるから……」
「ならば天の城を発見し、その支配者の討伐を頼みたい……多くの犠牲者の為にも」
「最初からそのつもりよ。もちろん聖……ん。な、なんでもないわ」
つい聖杯と言いかけて口を塞いだ。
最後までしまらないあゆみであった。

装備とグリモアはこんな感じ。
Lvは討伐時に上がったので、実際はLv50で撃破している。
ヘヴィストライクがあるが、描かれた花の妨害用に用意していたものの描かれた花が高速発動と気付いてから使わなくなり、他のグリモアに換えるのを忘れていたので実際には使わなかった。
換えるとしたら、TPブーストあたり入れておくと、余裕を持って勝てそう。

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