RUIN FLOOR 2 BOSS
エスバット戦での興奮冷めやらぬ頃、丹羽料理店で一息ついていたあゆみの元に一人の女性が現れた。
「あゆみちゃーん。最近調子はどう？」
それは、微笑んではいるものの相変わらず目に光のない丹羽亜衣子だった。
「霊具集めは順調？」
「は、はい」
丹羽料理店の倉庫に置かせてもらっている、今まで収集した霊具を見せると亜衣子はにやりと笑う。
「あゆみちゃんってば凄いのね、また交換してほしいものがあるのだけど……」
挨拶もそこそこに交渉を始める亜衣子。
……
あゆみは公平なレート（亜衣子談）により、いくつかの新しい霊具を手に入れる事ができた。
「ありがとうございます」
「それにしてもあゆみちゃん……これだけの数の霊具をどうやって集めているのかしら？」
戦闘のたびに自らの腹を割いて出しているなどとは言えるはずもなく。
「え、えーと、樹海で拾ったりして」
「へえ……樹海、魅力的ね。今度私も行ってみようかしら」
「やめた方がいいと思いますけど……」
「大丈夫よ、私はね、狩・る・側、だもの。キフッ！」
大量の護符を片手に笑う亜衣子を前に、あゆみは苦笑するしかなかった。
樹海の1Fで血塗れになりながら這っている人間が保護されたという話をあゆみが聞いたのは、数日後の事であった。
… … …
そんな感じで新しいグリモアを入手し、アラクネーにリベンジすることに。
画像の通り、驚異的なダメージを叩き出す戦法をとる事にした。
一言で言うなら、「圧縮錬金術＋炎撃の術掌＋ライフトレード」戦法である。
解析グラスによるアラクネーのステータスは上の通り。
マップギミック利用により、HPを4割ほど削る事ができるので、実質HPは10200。
まず、毒が効かないのでこれまでのボスで使ってきた毒ダメージによる削りは不可能。
その為、ライフトレードで削りきるしかないのだが、好条件で撃った時のダメージは約1000。
前述の通りHPは10200なので、好条件で10回以上撃つ必要があるのだが、ライフトレードの消費TPは60なのでとてもじゃないけどTPが足りない。
また、TPを料理や装備補正などで何とか用意できたとしても、HPがぎりぎりの状況を何度も作り出すのは現実的ではない。
毒沼によるダメージがどんどん大きくなっていくので、いずれ耐えられない時が来てしまうからである。
そこで使うグリモア・装備がこれ。（撃破後なのでLvが1上がっている）
先の先で安定して攻撃力を底上げしつつ、圧縮錬金術で全体技の威力を高めつつ、炎撃の術掌でアラクネーの弱点属性に変換し、ライフトレードを使うという戦法である。
圧縮錬金術は、全体属性攻撃を単体にして威力を高めるスキルだが、炎撃の術掌を使えば全体無属性攻撃のライフトレードに効果が乗るので、これを利用する。
そうすると、上の画像の通り好条件で2000ものダメージを叩き出す事ができるようになる。
消費TPは、圧縮錬金術、炎撃の術掌ともに3と非常に安い。
余談だが、力祓いは結局使わなかったので、この枠にTPブーストでも入れておくと多少はTPに余裕をもって臨めると思う。
それか属性攻撃ブーストとかあっても良いかも。
アラクネーの行動パターンはおおむねこんな感じ。
1T：（先制）
2T：通常攻撃
3T：通常攻撃（爪を研ぎ始めた）
4T：ポイズンバイト
5T：毒の沼
6T：シルクスプレッドorシルクスピットor通常攻撃？
7T：シルクスプレッドorシルクスピットor通常攻撃？（爪を研ぎ始めた）
8T：ポイズンバイト（毒の沼が消える）
9T：毒の沼
以降、6T～9Tの繰り返し。
最初のうちに圧縮錬金術を積んでおき、あとは要所でかけ直したりしながら炎撃の術掌→ライフトレードができるタイミングを見計いながら戦う事になる。
ポイズンバイトのダメージがかなり大きい（140程度）ので、そのターンは必ず回復かDEFENCEをする。
毒の追加効果は完封アクセサリで対策すればOK。
シルク○○はダメージこそさほどでもないものの、封じ効果があるので、これの運が悪いとなかなか攻撃に移れない事がある。テリアカαは必須。
毒の沼は使われるたびにじわじわダメージが増えていくので、残HPの計算に注意。
ライフトレードを使うべくぎりぎりのHPで戦う事を考慮すると、結構ダメージ幅が大きいので、ぎりぎりのダメージで死んだりしたらそれはもう運が悪かったと考える。
具体的には、毒沼開始前のパターン中ならこう動けば良い。
1T：（先制）／圧縮錬金術
2T：通常攻撃／圧縮錬金術
3T：通常攻撃（爪を研ぎ始めた）／炎撃の術掌
4T：ポイズンバイト／ライフトレード
5T：毒の沼／メディカⅢ
毒の沼以降は、基本的には圧縮錬金術を維持して（封じが来ると難しいので諦め、別の機会にかけ直す）回復もしつつ凌ぐ。
そしてポイズンバイトが来るターンにHPが140＋毒沼ダメージ分だけ残っていれば、そのターンに炎撃の術掌を使い毒の沼のターンでライフトレードを使って回復と攻撃を同時に行う。
終盤はだんだん圧縮錬金術を使う余裕もなくなってくるので、TPと相談してライフトレードをそのまま撃って削る。
そのままでも条件次第で900～1000くらいは入るので何とか削りきれるはず。
尾針というスタンつきの技は、今回は一度も使われなかったけど、これを使われたら更に辛い事になっていた可能性が高い。使われる前に押し切ってしまえ。
というわけでアラクネーは倒せます。
封じも状態異常も使っていない、カースメーカーとはなんだったのかって気分になるけど、ただでさえライフトレードという敵の行動に依存する技をダメージソースに使っている以上、更に封じや状態異常といった運要素を持ち込みたくなかったので、こんな戦法になった。
おかげでこの戦法での死亡回数は7回で済んだし、良かったんじゃないかなあ。
… … …
何となく浮かれて依頼を受けてしまった事を、これほど後悔したことはない。
この偉業を酒場へ報告しに行くと、「どうだ、天神小サバイバーなら余裕だったか」と言われ、思わず
「そんなわけないわよ！」
ぽかんとする酒場のマスターであった……。
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