FLOOR 16+etc

「え、嘘……桜? すごい!」
16Fに辿り着いたあゆみは、きょろきょろと辺りを見回してはその美しさにしばし心を奪われる事になった。

危険な樹海であることも忘れ、桜の風景を楽しみつつ歩き始めたところで、不意に空の方から語りかけるような声が聞こえてくる。
「誰!?」
声がした方を見ると、石壁の上で翼の生えた人があゆみをじっと見つめているのが確認できた。

「え?」
あゆみが理解する間もなく、その翼人は飛び立っていった。

「いまの何なのよ……悪霊……?」

… … …

スキュレー戦でLv70になったので引退し、Lv50まで上げてから挑む事にした。
この階、早速ライチョウとかいう危険なモンスターが登場する。
こいつの技、封雷の追加効果はなんと頭封じ
やめてください!頭封じされると全ての技が使えなくなる人だっているんですよ!

そこで導入したのが、乱れ雪つぶて
ビッグスノーが使って来る技のLv7グリモアがあったので、これを使う事にした。
TEC依存の腕技という珍しい属性技なので、カースメーカーでもある程度の威力は出る。
とはいえ、あくまで緊急用。
ライフトレードが使えない以上、回復手段が別に必要になる。

それにしてもエフェクトが眩しいなコレ!

… … …

探索を続けていると、桜の木の下に何かを埋めたような跡を発見した。

「確か、こういう所には死体が埋まってるって」
長い事一人でいてたがが外れているのか、その不気味な話の真偽を確かめずにはいられないあゆみ。
早速掘りかえすべく、手持ちの杖を地面に突きつけた、次の瞬間。

「ちょっと、邪魔じゃない!」
蜂の大群が襲い掛かってきた。それも、何度も。

毒完全耐性のアクセサリさえつけていれば、蜂は大して脅威ではなかったりする。
HP半分くらいのライフトレードでも余裕で一掃できるので、HPが満タンならDEFENCE、減っていたらライフトレード、でOK。

幾多の蜂を撃退し、あゆみは早速土を掘り始めた。
途中、「どうしてこんな事してるんだろう」と思いはしたものの、折角だからと掘り進めた。
そして発見したのは料理のレシピ本。
「もう、誰がこんな所に埋めたのよ……」

早速レシピ本を持ち帰り、丹羽料理店の従業員に渡す。
土の中に埋まっていたという話をするなり、従業員は少し待つようにあゆみに言うなり奥の部屋に消えていく。
そして、どういうわけか頑丈そうなスコップを持ってあゆみの前に現れた。

「お……おんせん?」
そんなに掘るのが好きならばと、樹海の特定の場所にあるという温泉を掘り当てる依頼を紹介され、これには流石のあゆみも困惑。
「嫌よ、屍体プールかもしれないし、」
と言った途端、無数の視線が突き刺さった。
……一応ここは料理店なのだ。

11F DLCクエストのネタバレを表示します

なんとなく断りづらい空気になってしまい、仕方なく指示された場所にやってきた。
「ダメ元で掘るだけ掘ってみようかしら」
ブック・オブ・シャドウズに話しかける。
「あなたも手伝ってよね」
するとたちまちあゆみの腕の筋肉が強化され、みるみるうちにスコップは進み……

「嘘でしょ!?」
咄嗟に身構えるも、恐れていた屍体が出て来る気配はない。
あゆみは、ただ周辺が湯で満たされていくのを呆然と眺める事となった……。

数分後、辺りはあっという間に湯で満たされ、完全に露天風呂の体を成していた。
恐る恐る湯に手を入れてみるものの、何の事はない見た目通りの温泉であった。

「今なら誰もいないし……入っとこ」
そう呟き、改めて辺りを見回したその時であった。

「きゃあっ!?」
いつからいたのか、巨大なカエルが舌を伸ばしながらあゆみに迫ってきた!

DLCクエストのジェントルトード戦。
Lv70引退Lv50なら、特に苦労する事はない。
ただ、混乱付きの舐めまわしを使ってくるので、混乱耐性のアクセサリを装備しておくこと。

フルメンバーで挑むと脅威であるハイドロジャンプも、一人でしかも高TEC職なのでなんともない。

… … …

「いやあっ、離して!両生類!卑怯者!不良!……あ、離れた」
巧みに舌を操り、あゆみを蹂躙する……かと思いきや、すぐに離してくれる巨大な蛙。
これこそ、後にジェントルトードと呼ばれる所以なのかもしれない……。

「やだ……まるで人間みたい……」
いかなる存在も分け隔て無く愛でる、その姿は実に紳士だった。

今作の毒はTEC補正も若干かかっているようで、2倍料理を食べた状態だと難易度EXPERTだろうと凄いダメージを叩き出す。
TPにかbなり余裕をもって倒せたのは、間違いなく毒のおかげである。

巨大な蛙を撃破したあゆみは、改めて今し方掘り当てた温泉を眺める。
「身体もベトベトになっちゃったし……今度こそ、大丈夫よね」

あゆみは温泉に浸かりながら、自分の身体を見て思う。
「それにしても……お腹からグリモアって霊具がどんどん出て来るのに、なんともないなんて……」
ついでに今し方腹から出て来た霊具には、舌が恐ろしく伸びる技が封印されていた。
跡で丹羽料理店の倉庫の奥にそっと仕舞っておこうと決めた。

「それにしても……平坦だ」
「うるさい、お湯に入れるわよ」
「平気だ」
ブック・オブ・シャドウズと他愛の無い会話をしつつ、疲れを癒やしたのであった……。

… … …

16Fに入ると、色々とクエストが出て来る。
11Fに出現した魚を倒すクエストも、その一つなんだけど、これがまた普通に死ぬ。
カースメーカーはそこそこの硬さを持つ敵が複数体出てくると非常に苦戦する傾向にあるのだ。

また、中途半端に避けるのもよろしくない。
ライフトレードで威力が出るようにDEFENCEしてHPを調整しようとしても、先手をとるべく装備させている素早さブーストのおかげで中途半端に避けてしまって、結局威力がでないとかよくある。

ムベンガを倒し続けてやっと戦えるようになるこいつも、相当強い。
ほとんど致命傷のダメージを与えてくる。
見た目によらずHPが相当高い(9560)ので、2回毒状態にする必要がある。
耐性という点では、2回目の毒を入れる事自体は容易。
しかし、攻撃を回避しない限り2回目の毒を入れる隙がないので、先程までとは違って素早さブーストの回避に頼る事になる。

HPが減ってくると、心なしかスキルを多用するようになるので、脚封じを決めてしまえば封殺できる。
そこに至るまでが非常に辛い敵である。

… … …

最初の階層にて、とある抜け道の先を調査するよう頼まれたあゆみは、天神小で鍛えた嗅覚を活かして罠を次々と回避していた。
……と思っているのは本人だけで、実際はブック・オブ・シャドウズがあゆみの感覚を操作しているに過ぎないのだが。

「これは……鍵?」
最奥の部屋に安置されていた宝箱入っていたものは、現実世界でもよく使用されていたものとそっくりの形をした鍵であった。
だが、樹海の中でその鍵が入りそうな扉を見た記憶はない。

そこで丁度、丹羽料理店で狂ったようにカニクリームコロッケを食べていた亜衣子に相談してみる事にした。
それを見るや否や、怯えた顔をした亜衣子はこう応えた。
「あら、変わった霊具ね」
「これもなんですか?」
「え、ええそうよ」

思わぬ回答に驚いたものの、霊具と分かれば話が早い。
きっと何かに作用するタイプの霊具であるという情報まで教えてもらったあゆみは、ふと新たな疑問を口にした。
「こんなに色々タダで教えてもらっちゃって、いいんですか?」
「へ? ほら、あゆみちゃんって、す、すごいし、このくらいは」
……元守銭奴は、以前に樹海の恐ろしさを身をもって知った事で、あゆみに畏怖の念を抱いていた。
人とは案外簡単に変わるものである。

「あっ、それっぽい扉があった」
地図を見直していたら不自然な場所を発見したため向かってみたところ、案の定鍵は目の前の封印に作用しそれを解き放った。
こうして、閉ざされた扉は開かれたのである。

こいつはSSQ1の1層にも出てきたやつじゃないか。
いくつか飛び抜けて強い雑魚敵がいる以外は、普通の1層。
容赦なく殺しに掛かってくるので、油断は禁物。

こいつの技も致命傷のダメージを与えてくるが、死にはしないのでライフトレードがあれば突破可能。
もちろんTPは有限なので、正直こいつ1体しか出ないようならESCAPEでも良いレベルだ。

「ここ……こんなに広かっただなんて」
カエルなど当分見たくもなかったあゆみは、思わぬ伏兵に驚きつつも無事に階段まで辿り着いた。
「今日はこの辺にしとこ」

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篠崎あゆみ x1(累計:504)
ムベンガに裂かれた篠崎あゆみ x8(累計:512)
隠しエリアで不意打ちされた篠崎あゆみ x1(累計:513)