FLOOR 19

19階に到達したあゆみが周囲を見渡してみると、やけに床が少ない事に気付いた。
「ここ、足場が壊れてるんじゃ……」
不安を感じつつも探索を始める。

金色の足場のようなものが浮いているものを発見した。
「浮いてる……」
恐る恐る突いてみるものの、浮遊する足場はびくともしない。

「乗れそうだけど……危ないよね」
ひとまず足場は放置して、他をあたる事にした。
が、探索できる範囲は案外狭く、後は足場に乗ってみるしかないようだった。
あゆみは意を決して跳躍し足場に飛び乗った。

あゆみが飛び乗った瞬間、足場は突然加速を始めた。
「ひええええぇ!?」

「はあ……はあ……」
あゆみは足場から落ちまいと、俯せになってへばりついていた。
何ともみっともない光景である。
緊張からか久しぶりに過呼吸を起こしそうになり、しばらく動く事ができなかった。
「今更だけど、ここってなんでもありね……」

こんな楽しい編成が出てくるようになる。
デスストーカーは病毒で片付けられるとして、手前の巨大な邪花に少し注意しておきたい。
こいつの大放電は、あゆみちゃんのTECが高いおかげで80程度しか喰らわないんだけど、通常攻撃を喰らうと倍の160近いダメージを受けてしまう。
一人旅だと通常攻撃の方が遙かに危険な事もあるのだ。

お次はキョロちゃんみたいなディアトリマ。
一応これでも恐竜らしい。
こいつはモンスターがやられると攻撃力を上げる自己強化をかけてくるが、倒す時は大抵ライフトレードで一掃するので、それ自体は怖くない。
問題は、こいつの攻撃命中率が妙に不安定な事である。
ライフトレードを主軸に置いている場合、敵から受けるダメージが安定しないと非常にやりづらい。
中途半端に削られて調子が狂ったことが一体何度あったか。

一度街に帰ってきたあゆみは、少し休憩しようと思い丹羽料理店へと足を運んだ。
「え……」
そこには驚くべき人物がいた。

「七星さん!?」
「ああ、貴方は確か」
亜衣子と同じく、目に光のない冴之木七星が霊具を持って佇んでいた。

「これ、いる?」
「結構です……」
それは紛う事なきゴミであった。

… … …

このように、1体でも稀少個体込みだと死が見える。
上にも書いた通り、ライフトレード戦法だと回避が嬉しい事も邪魔な事もあるのだ。

この階では高速で猛禽が飛び回っていたり、数の暴力で押し切られたりと、あゆみはもう何度も死を見ていた。
あと何度繰り返せば次の階に辿り着けるのだろうか?
もうこの本で浮遊していけば空飛ぶ城とやらに着かないだろうか?
そんな事ばかり考えるようになっていた。

「もうやだぁ!帰りたい!」
あゆみは鮮血を散らして攻撃に変え、ひたすら探索を続けた……。

この階は本当によく死んだ。
だって雑魚の殺意が半端ないんだもん。

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