そらのうきぶくろ

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ファイアーエムブレム風花雪月をクリアした話

黒鷲の学級(赤色)で1周クリアした。総プレイ時間、じっくりやって100時間だった。大ボリューム。

ゲームをクリアしたので、いつものようにゲームレビュー的なものを書くつもりでいたのだけど、以下のような素晴らしい記事が世に存在する。
風花雪月はファイアーエムブレムである。 – 丸くやわらかい。
このゲームの評価についてうちが言いたいことは、全て上記の記事で述べられている。
ゲーム内容についてのネタバレなしでとてもよくまとまっているため、是非とも読んでみて欲しい。

ではこの記事では何を書くのかというと。
自分だけのゲーム体験である。
結末についての致命的なネタバレを書くつもりはないが、以下の内容が含まれている。
・黒鷲ルートについて、人によってはネタバレに相当するであろう事
・一部の支援会話の内容
些細な事でも気にする人は、読まない方がいいだろう。

太郎との出会い

それは発売前に遡る。
FE新作の情報が上がり始めた頃、TLである男が話題になった。
その男の名はヒューベルト=フォン=べストラ(あっそんな苗字だったんだ……)。
従者だが、いかにもそのうち裏切りそうな顔をしているということで当時うちもこのようなツイートをした。

そして時は経ち。
学園生活から一転、かつての生徒同士で殺し合う戦争が始まる所謂第二部の存在が明かされてからというもの、大いに話題になった事は記憶に新しい。
この時点でうちも購入を決めたが、どの学級につくかはまだ考えていなかった。

そしていざプレイを開始し、先生としてどの学級をみるのか段階になり……最終的に決め手になったのは、「ヒューベルトが本当に裏切るのか?」という点だった

そういうわけで我がヤバタイ(やばいタイツを履いた女主人公のこと)は晴れて黒鷲の先生となった。
学園モードで会話しているうちにすぐどの生徒にも愛着が湧いてくるし、名前も覚えることができた。
もっとも、うちにとってヒューベルトとは裏切り太郎なので、しばらくは裏切り太郎と呼んでいたのだが……。
エーデルガルトとヒューベルト、すなわち主従ふたりの支援Cの会話を初めて見た時にそれは変わった。

ああ、こいつは裏切らないな、と。
こいつが主人を裏切るわけがない。
そんなことはあり得ない。
むしろ裏切ったらお前を絶対に許さない。
よってはお前は裏切り太郎なんかではなく、今日から任意の太郎、すなわち太郎だ

ゲームを進めていくうちに、太郎はいろいろな太郎になった。
いろいろな支援会話で気配を消す気配消し太郎、隙あらば主人公を暗殺しようとする暗殺太郎、フェルディナントフォンエーギルとの支援会話でたいへんご立腹になるおこ太郎、あまり食事を重視しないと言いながら結構好きな食事が多いことから食事重視太郎、闇魔法デスを習得したからデス太郎、などなど。

そんな太郎だったが、最終的に主人公の夫になった。
本当にお前は最高の男だよ。

フェルディナントフォンエーギルとの衝突

先程、太郎について言及していた時にも出てきた名前だ。
うちがフェルディナントフォンエーギルについて語る時、なぜかフルネームで表記してしまう。
好きなキャラクターをフルネームで呼び捨てにするのは個人的にはよくある事なのだけど、フェルディナントフォンエーギルに関してはもう一つ理由がある。
名前が極めて覚えやすいのだ。

受け持つ生徒達を初めて出撃させるマップにて。
当然、戦闘画面で操作できるユニットとして生徒達が登場するわけだが。
戦闘画面で初めてユニットを選択すると、各生徒達はそれぞれ個性的な台詞を喋ってくれる。
そしてフェルディナントフォンエーギルを選択すると、彼は高らかにこう叫ぶのだ。

「我が名はッ!フェルディナントフォン!エー↑↑ギルッ!」

すごい。
こんなん戦闘画面に入るたびに叫ばれたらもうフルネームを覚えるしかない。
そういうわけで全生徒の中でもあっという間に彼のフルネームを覚えるに至ったのだ。

フェルディナントフォンエーギルについて一言で表すなら、健康になる男だ。
支援会話からは、彼が貴族としていかに誇りと理想を持っているかが、全方位に猪突猛進であるかが、そしてきちんと自らを省みる男である事が窺える。
特に、貴族制度に難色を示しているエーデルガルトとの支援会話や、徹底した不仲から始まり驚きの展開を迎える太郎との支援会話は必見。
友達にこんな男がいたら人生が充実しそうだな、と思えるタイプのたいへん魅力的なキャラクターだ。

ユニットとしては最終的にグレートナイトまで育て上げ、グレートフェルディナントフォンエーギルとして大活躍してもらった。
ただし魔防はあまり上がらず、よく燃えた

俺達の代弁者ベルナデッタをかわいがる

黒鷲の学級の生徒達は、よくも悪くも自由度が高い。
その自由度の高さたるや、1周目青獅子で2周目から黒鷲を始めた人が「動物園」と評するほどらしい。
その中でも、特に自由だなーと思ったのがベルナデッタである。
彼女は戦争ゲームにあるまじき引きこもりであり、学園モードでは半分以上部屋の中に籠もっていて姿を見せないという徹底っぷり。

彼女のあらゆる言動が「引きこもり」のそれであり、同じく引きこもりとしては理解しかない。
様子のおかしさも群を抜いており、支援会話では恐怖のあまり立ったまま気絶したり、しょっちゅう奇声を上げたり、あまりの引きこもりっぷりに業を煮やした生徒から自室の扉を破壊されたりと、枚挙に暇がない。

そしてこの引きこもりという属性、ただの愉快な属性として片付けられるものではない。
ある支援会話で、ベルナデッタが引きこもりになるに至った理由について掘り下げられるのだ。
なんていうか……時代が悪いんだよ、時代が……。

性格が一切ぶれないところも非常に好感が持てる。
第二部に入っても全くぶれることなく、戦闘画面でユニットを選択すると「引きこもれない世を変えなきゃ!」と喋ってくる程に、前向きな姿勢(?)で戦争に臨む。
ユニット性能としては弓に特化しており、順当にボウナイトにクラスチェンジして射程を生かした活躍をしてもらった。

エンディングでは、とある人物とのペアエンドを迎えて「甘えたがりの妻」となった。
ベルナデッタ……よかった……。

迫られる選択

それは突然やってきた。
学園モードでいつものように生徒達に話しかけて回っていた時のこと。
エーデルガルト様は皇帝となる準備を進めており、その場に立ち会って欲しいと申し出てきたのだ。
なんかイベントかな?でも行動力を使い切ってから……と考えていたら、「この選択で物語が大きく変化します」という今までにないシステムメッセージと共に今までとは異なる豪華な装飾の選択肢が画面に表示された。

この選択で物語が大きく変化します。

こんなことは今までになかった。
どうやらストーリーが分岐するらしい。
戸惑ったものの、かわいい生徒であるエーデルガルト様に付き合わない理由はない。よって、ここで「付き合う」を選択した。

……その後、晴れて皇帝となったエーデルガルト様は色々あって学園側(セイロス教団)と敵対。
エーデルガルト様を斬るか守るか、第二の選択を迫られる。
もちろんかわいい生徒であるエーデルガルト様を斬る理由はない。それに、太郎が裏切るかどうか最後まで見届けなくてはならないし。よって、ここで「エーデルガルトを守る」を選択した。
この時点で、やや語弊はあるが真女神転生で言うところのCHAOSルート的なものに入ったのだろう、と思った。

代償はあった。
途中参戦してきたフレンを、ヒーラー適性を全て投げ捨てて腕利きのアサシンとして育成していたのだけど、彼女はセイロス教団側の存在なのでここで離脱してしまったのだ。
しかも、移動力が上がる貴重なアイテムを持たせていたのだけど、それごとユニットが消えてしまったのは結構な痛手だった。
更に、踊り子の資格も彼女に獲得させていたため、必然的に踊り子なし縛りを強いられる事になった。
これは2周目をやるときがあったら、気をつけた方がいいなあと思った点である。
まあ、踊り子はいなくても最後までクリアはできたけど……。
フレンというかわいい美少女がいなくなってしまった事は、ただ残念である。

そういうわけで我がヤバタイは、エーデルガルト様の覇道を共に進み始めた。
青獅子から引き抜いた二人の生徒、メルセデスとイングリットも志を同じくして。
この時点で、個人的に定めたこのゲームの目的は2つ。
太郎の行く末を見届ける事と……昔からメルセデスとたいへん仲が良いアネットをメルセデスの手で殺す事だ。

自由度の高い育成を楽しむ

なんやかんやあって、第二部に入っても第一部と同じように先生として教育をしていくことができる。
そのため、普通に戦っているだけではあまり適性がないクラスを目指したりすることが現実的になる。
その一例として、今回遊んだうえでちょっと変わった育成をしたユニットと、その所感について書いておく。

女主人公+弓+白魔法+黒魔法:先生は第一部の終盤から専用クラスになる為、何を使えるように育てても困らない。中でも弓は、近距離反撃を早い段階で覚えてくれる今回の仕様もあって、お手軽に飛行系に特効が取れるので便利。天帝の剣は大して使わないので、剣はあまり育てる必要はなかったように思う。どのステータスもまんべんなく伸びるので、黒魔法や白魔法もばっちり使いこなせる。

エーデルガルト+格闘術:女性は格闘術系の上位クラスが存在しない。が、第二部から専用クラスになるため、そこに悩む必要はなかった。力が素で高いため、武器威力が低く回数でダメージを稼ぐタイプの格闘術は非常に有効。なによりモーションが超かっこいい。前線に出て拳で戦う皇帝ほど信頼できるものってそうそうないでしょ。ただし格闘術だけだと2距離攻撃がなくなるため、魔獣系の敵の攻撃を受ける為に元々適性のある斧とのハイブリッドにすると良い。

ドロテア(エピタフ):近接戦闘能力が得られるものの、魔法の使用回数がウォーロックと比べて半減してしまうので、ウォーロックの方が使いやすかったか……?というのが正直なところ。別に守備や速さが劇的に上がるわけでもないから、結局のところ後衛職寄りの立ち回りになってしまう。加えて射程3-10の非常に強力な魔法であるメティオの回数が、たったの1しかないのは辛いところ。ただし、エピタフにするとモーションがまるで忍者のようになるという面白さがあるので……捨てがたい……。

ペトラ(ファルコンナイト):飛行系ユニットその1。第一部にて本人自ら盗賊を教育方針として志望してくるのもあって、多分珍しいのではと思ったので書いておく。今作、馬に乗せたりペガサスに乗せたりするためには馬術や飛行だけでなく大抵槍を上げなければならない事になっている。ペトラは最初剣を育てていたため、クラスチェンジの道のりは遠かった。しかし育ってみれば、異様に速さが伸びてくれたうえに、低めだった魔防もクラス補正で伸びてくれたため大活躍した。

メルセデス(ダークナイト):青獅子からの引き抜き面子。アネットの息の根を止めるために頑張って育ててきたユニット。せっかくだから闇落ちしておこうと思ってダークナイトにさせたのだけど、闇魔法を一つも覚えてくれなかったのが残念。途中までグレモリィで運用しており、試験合格次第ダークナイトにしたのだけど、ドロテアと同じく魔法の使用回数が半減するのは問題。馬に乗れるようになった事で機動力は増したものの、終盤のマップに騎馬ユニットの移動力が低下するマスが多く、機動力を活かせたかと言われると微妙なところである。

イングリット(ドラゴンマスター):青獅子からの引き抜き面子。金髪が美しいので気がついたら引き抜いていた方。もともとペガサスナイトの適性があるため、育成方針としてはそこまで変わったものではないのだが、ドラゴンに乗るには斧の技能が求められる。エーデルガルト様と並び、斧女子としてそれはもう猛威を振るった。魔防がよく伸びるユニットなのだが、ドラゴンに乗って守備が上がった事により死角なし。機動力は高いし、飛行特効無効の盾を手にしてからというもの、魔法が使えない事くらいしか欠点のない最強のユニットになったのではないかとすら思う。

マヌエラ+格闘術:なんとなくスカウトしてみたらオッケーしてくれたマヌエラ先生。そのうち使える事もあるかなと思って(きっとビジュアルも愉快だろうから)格闘術を地道に上げていたのだけど、途中ですごい事に気付いてしまった。なんと、一部のクラスはそもそも篭手が装備できないのである。よく調べてはいないが、おそらく魔法が使えるクラスの殆どは篭手を装備できないのだろう。で、魔法剣士であるエピタフにしようにも理学は苦手補正がかかっていて育てにくい……。もうだめだ、そこには何の意味も無い格闘術の技能が残ったのであった。

位置エネルギーを活用するのがうまいですね

第二部に入ると、敵対勢力としてかつての生徒がどんどん出てくる。
学級が違えども、通りすがるたびに「先生!」と言って慕ってくれた生徒達……。
しかもそれは生徒だけではない、学園でお世話になった人も次々と出てくる。
学園モードでは様々な会話を交わしたし、多くのクエストで頼まれ事をこなしたりしてきた、そんな相手を殺していくのだ。
相手とかつて同じ学級だった生徒や、関係者の深い人物だったり、ヤバタイで戦闘に入ったりすると専用台詞があったりするというこだわりよう。
学園モードで培った(物語的)位置エネルギーを存分に活用してきていると言える。

もちろん、第二部で生徒達が殺し合うのは発売前から判明していたことである。
だから、それはそういうものなのだと、ある程度対ショック態勢のようなものがとれているのだ。
だからこそ、仲の良いメルセデスとアネットの片方を引き抜いて殺し合いをさせてみよう!という発想に至る事ができるわけだし、実行に移す気にもなる(ちなみに、ちゃんと専用台詞があった)。
ただ……果たして、物語的位置エネルギーが存在するのは、学園の生徒だけだっただろうか?
個人的に、このゲームをやっていて最大の悪趣味さを感じた部分がここにある。
これについてはふせったーに書いておいたので、興味があったら読んでみてほしい(第二部ネタバレ注意)。

まとめ

楽しく遊べた。
快適な操作性、振り返ってみればFE的に王道なストーリー、徐々に熾烈を極めていく難易度、現代技術を駆使した美しいグラフィック、物語を彩る音楽(第一部のブリーフィング中に流れているやつが個人的には一番好き)、これでもかってくらい徹底したフルボイス。あらゆる全ての要素に大満足。
尋常ではない作り込みに、コンシューマーゲームの本気を見た、という感じ。
2周目も3周目も時間と体力さえあればやってみたい。FEはなにぶん気軽に遊べるゲームじゃあないので。
今後のDLCで、追加キャラクターに追加シナリオまで提供されるらしいが、ボリュームがありすぎてそっちまで手が回るかどうか……。

こんな大作、4-5年に1回出てくれたらそれでいいわ。
お腹いっぱい。

で結局、太郎は裏切ったの?

うーん、お察しの通りじゃないかなあ。

ゲームたのしいよ | タグ: | 君はコメントしてもいいししなくても良い

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