そらのうきぶくろ

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カタナゼロを遊んだ話

Katana ZERO

ちょっと前にTwitterのTLで話題になっていたアクションゲーム。
話題になっていた頃は丁度他にはまっているゲームがあってやっていなかったのだけど(ていうか風花雪月)、一区切り付いたので遊んでみる事にした。
コンシューマハードのコントローラ操作が苦手なので、Steam版を買ってPCで遊ぶつもりだったのに何故か無意識のうちにSwitch版を買ってしまい、遊ぶ前からオチがついてしまったがめげずにそのままSwitch版を遊ぶ事にした。

以下、序盤の展開に関する軽いネタバレを含む感想など。
気になる人は一応、ゲームクリアしてから読むの推奨。面白いのでクリアしてね。

操作感

カタナゼロについて書くなら真っ先にこれを書くべきだと思ったので書こう。
このゲームは気持ちよく遊ぶ事にこれでもかというくらい特化している。主人公がヤク中だからだろうか?

2Dアクションらしく移動、ジャンプ、ダッシュ、攻撃に加えて、時間経過を遅くするコマンドが存在する。
基本的に敵は一撃で死ぬし、主人公も一撃で死ぬという世界なため、時間経過を遅くするのは非常に重要な要素となる。
それも無制限に行えるわけではないため、慣れないうちはとにかく死ぬ。死にまくる。主に一瞬で着弾する銃弾とかで。
そういうわけで所謂死にゲー、覚えゲーの面が強いゲームなのだけど、とにかくやり直しのテンポがいい。
ステージが進むにつれてどんどん難易度が凶悪になっていくが、何度でもやり直してクリアしてやる!という気持ちにさせてくれるテンポのよさのおかげで、苦手なコントローラ操作ながらクリアまでこぎ着けることが出来た。

アクションシーン以外の、会話を聞いて選択肢を選ぶシーンも、操作感がとても気持ちいい。
相手が喋っている途中に選択肢を選ぶと、吹き出しと文字がガシャンと崩れる演出が実にそれっぽい。

ストーリー

ニンジャスレイヤーめいた治安最悪街が舞台。
主人公がヤク中である。安心安全のCERO:D、暴力、銃、薬物マーク付き。
記憶を失い変な夢を見る日々を送る中、セラピストから殺人の依頼を受けつつ社会復帰を目指していく……(???)といった感じで始まる。
既に突っ込みどころが山ほどあって面白いし、徐々に明らかになっていく真相も興味深い。
早く先が読みたい!という気持ちと、前述の通りやり直しが苦じゃない操作感が合わさり、ゲーム体験としてとても楽しいものになっている。
自分は一体何者なのか?薬の時間だとか言ってくるセラピストは一体?やたらとなついてくる幼女先輩は?となり、どんどんゲームを進めてしまう。
とりあえず主人公は、魚の頭とプロテインペーストと紅茶以外にも食べ物を買った方がいいと思う。

結局ピンカチュウってなんなんだろうな……。

システム

操作感の所でも少し触れた通り、一般的な2Dアクション的な要素に加えて一時的に時間を遅くする事ができる。
これにより、「銃弾を刀で弾き返す」という誰もが一度はやってみたいと思う事が現実的なラインで誰にでも可能になるのが、このゲームの魅力的なポイントの一つだと思っている。
しかもこの機能、主人公に元々備わっている超人的能力をプレイヤーが操作できるようにしたもの……というわけではなく、クロノスという薬物によって得られる効果だという設定がついている。
ゲームシステムに対してきちんと整合性のある説明が行われていて、これには整合性警察もにっこり。
中盤からはダッシュによる無敵時間を駆使して、所狭しと配置された敵の斬撃や銃撃を華麗に回避し時に弾いたりしてようやくステージをクリアできるバランスになっているのだけど、何とそれができるという楽しさ。そう、クロノスならね。

また、操作感の所で「やり直しのテンポがいい」と書いたが、これは一つのステージが複数のマップ毎に区切られていて「一つのマップをクリアするたびにセーブされて、死んだときにステージの最初からではなくマップの最初から再開できる」という所が大きい。
特にペナルティもないので、アクションが下手な人間でも安心して何度も死ねる
物足りない人向けに、ハードモードやスピードランモードが用意されているので、プレイヤーの守備範囲も広い。
しかもマップをクリアするたびに、どのようにしてクリアしたかというリプレイが再生されるのだけど、リプレイでは「どのタイミングでクロノスを使ったか」が表示されないようになっているため、まるで目にも留まらぬ早さで敵に対処したかのように見えるのだ。つまり、マップをクリアするたびに自らのスーパープレイを見る事ができるに等しい。もう最高の気分になれる。

BGM

音楽は印象に残ったものはあまりなくて、よく言えば「正しくバックグラウンドミュージックしてた」といったところ。
上の画像の右下を見るとNOW PLAYINGと書かれているが、ステージ開始時に主人公がヘッドフォンをつけて音楽を聴く動きをするため、主人公が実際に聴いている音楽という設定になっているのが面白くて好きなポイント。
音楽を聴きながらサクサク殺人を犯している。社会復帰する気あるのか?

グラフィック

既にいくつか上げているスクリーンショットを見れば分かる通りのドット絵で世界が表現されていて、レトロゲームの趣がある。
そしてこれはスクリーンショットでは伝わらない事なのだけど……ドットがとにかく動く!
戦闘中の動きはもちろんのこと、会話シーンでとにかくキャラクター達がなめらかに動きまくる。仕草の一つ一つが細かいドット絵芸で表現されていて、どのキャラクターもとても生き生きしている(大抵死ぬけど)ように見える。
踊っていたりとか、寝転がっていたりとか、乾杯していたりとか、ドット絵でありながらそれはもう滑らかに動いてくれる。

コンティニュー画面、味があって特に好き。主人公の家のブラウン管テレビとビデオテープ。うーん、良さがある。

まとめ

何度も挑戦して自分の成長を実感しつつ先に進んで行くというアクションゲームの原初の楽しみを味わいつつ、それが試行の泥臭さだけに終わらずこのゲーム独特の操作による爽快感までついてくるという、素晴らしいゲーム体験を味わえる作品と言える。
すごく洗練されたアクションゲームなので、要素の回収のためにやった2周目も全然苦じゃないどころか1周目の時よりも明らかな成長を実感できて楽しかった。
これで続編DLCも制作中だっていうんだから、続きが楽しみでならない。

CERO:Dの横に暴力的なアイコンが並ぶ世界観に抵抗を抱かない、あらゆるアクションゲーマーにおすすめしたい。

ゲームたのしいよ | タグ: | 君はコメントしてもいいししなくても良い

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