そらのうきぶくろ

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『逆転裁判3 検事マイルズ・エッジワース』を観に行ってきました

タイトルのまんま、『逆転裁判3 検事マイルズ・エッジワース』を観に行ってきたので感想を書くよー。
場所は日本青年館で日時は1月24日 18:30~の講演。

宝塚版逆転裁判シリーズは毎度大人気のようで、今回は3作目。
1, 2と違ってなるほど君は登場せず、代わりに御剣が主役の話となっている。

以下ネタバレの嵐。それでも良い人だけこの先を見てね。

ネタバレ防止用:空白いっぱい

これくらい空ければいいでしょう。

今回はあらすじすら読まずに観に行ってきたので、まず最初の展開からして驚いた。
まず、御剣が自身のやり方に疑問を抱いて旅に出たという所から話は始まる。
その途中で矢張に出会い、色々あって自身の原点に帰ろうという事になって飛行機でアメリカへ。

ところがその途中で飛行機が揺れたと思ったら……自分が生まれる前の時代(1987年)へタイムトラベルしてしまう。
なんという超展開。

仕方なく適当な店で紅茶を飲む御剣と矢張。
矢張の行動がいちいち面白い。
それに、話の合間にちょくちょく差し込まれる御剣のモノローグも笑いを誘う。細かい部分の台詞回しが1, 2と比べると段違いに良い。
店では、吟遊詩人めいた男の演奏に合わせて踊り子が華麗な舞を披露していた。
この辺のクオリティは流石宝塚、文句の付けようが無い。
一方、矢張はというと踊り子を写真を収めまくってナツミさんポジションを確立していた。

少し経って、その店で銃声が鳴り響く。要するに殺人事件が発生。
銃声の少し前に店のオーナーと刑事が言い争いをしていた為、この時点では「まさか刑事が犯罪をやらかすという新しい展開か?」と思ってたんだけど…。
やけに早くに警察が駆けつけ、容疑者も速やかに逮捕されたんだけど、容疑者は先程まで演奏していた吟遊詩人めいた男だった。
その男の知り合いらしい踊り子(今作のヒロイン扱い)が、御剣に助けを求め、話は進む。

ちなみに、この時代にしては御剣のいつもの服装(紫色のアレ)は1987年の人々からしたら相当奇抜に見えるため、この後も御剣は会う人会う人に「旅芸人の方ですか?」「そこの派手な方」などと呼ばれる事になる。

御剣は、彼を助けるなら弁護士をつけよう、と言って一緒にその街の弁護士事務所へと向かった。
その弁護士事務所は、なんと御剣の父(弁護士)+母が運営している所だった!
上で書いたように、この時代に御剣は生まれていないので相手は自分の子供だと気付く事はない。
しかし御剣にとっては、DL6号事件(劇中で簡単な説明もあった)で父親を失って以来なので、一方的に感動の再会を果たす。
タイムトラベルものではお約束っぽい展開だけど、それがいい。
その後少し話をして、ヒロインは吟遊詩人めいた男の弁護を御剣(父)弁護士にしてもらう事が決まる。
御剣は帰ろうとした所で御剣(父)に呼び止められ、事件についていくつか話をすることになる。
その際に御剣が持っている写真(撮影:矢張)を見た御剣(父)は、その写真を証拠品として譲ってもらい、更に御剣に証言台に立って貰うようお願いする。

この時代から既に御剣(父)は無敗の弁護士とされている人物という設定。
まだ御剣が生まれていないということは、年齢的にも若手に分類される方のはずだけど、少なくとも今までは無敗らしい。
ただし、御剣が帰った後に分かるんだけど「頼まれたらどんな人だろうと無罪にするのがルール」という考えの持ち主。
まるで原作の狩魔(弁護士版)のよう。

1日目の法廷。
亜内検事(若い頃)と、御剣(父)弁護士による裁判が始まる。
亜内検事のキャラクターが、もう、なんというか、亜内検事に糸鋸刑事を足して2で割らずにそのままにしたような感じになっており、とても鬱陶しさが増してて面白い。
証人として召喚した(多分オリジナルの)刑事に「次の給与査定を楽しみにしておけ」と何処かで聞いたような台詞を吐かれるなど、美味しい所を独り占めしていた。

矢張が実にふざけた証言によって、ゲームでありがちな漫才のような尋問が展開されたあと、いよいよ御剣の証言の時となる。
しかし、御剣の証言を途中でやめさせた上に、御剣から受け取った写真を捏造したものを証拠品として提出し、被告人の疑いを晴らせようとする御剣(父)弁護士。
結局、真犯人が分からないが被告人にはアリバイがある、という事になり、1日目の法廷は有耶無耶なまま終わる。
この時点で御剣は、父が無罪判決を勝ち取るために手段を選ばない弁護士と化していた事に気付き落胆する。

次の日から御剣は、何か考えたり待ち合わせの時などにカフェに足を運ぶようになるんだけど、何故かそのカフェで矢張がアルバイトをするようになった。
その理由は、一目惚れした踊り子(=今作ヒロイン)がたまに来る店だからという矢張らしいものだった。
安定の矢張。

この店にはもう2つほどネタが仕込まれている。
1つ目は、店長がどう見てもゲームに登場する警備員のオバチャンを意識したキャラクターだということ。
店のバイトをしょっちゅうさぼる矢張をしばく役回り。
ちなみに、あのおもちゃの銃(カタカタ言うやつ)もしっかり持っている。しかも口で「カタカタカタカタカタ……」って言ってる。
こういう地味なファンサービスが嬉しい。

2つ目は、御剣が座るテーブルの隣にあるテーブルの席に居る、大酒飲みの女。
最初は普通に酒を飲んでるんだけど、このカフェのシーンになるたびにどんどん飲む量が多くなっていく。
最終的には小さめの樽で酒を飲むようになる。
隣で御剣たちが話をしているなか、無言でウェイトレスとのやりとりが行われているのがもうシュールで面白くて面白くて。

それから色々、
・矢張が撮った写真には、真犯人が背中を向けた姿が写っており、その写真+矢張の話によって被告人は真犯人の姿を見ていて、その事をわざと証言していない(真犯人を擁護している)ということが判明
・どういうわけか裁判長が事件現場を見に来ており、御剣と自身の裁判に対する考え等について少し話をする
・踊り子のヒロインと吟遊詩人めいた被告人は親子であり、滅びゆく祖国から亡命した密入国者である事が判明
・事件の真実を追い求めるため、次回の法廷での検事は御剣が行うことが決定
・そのために、ヒロインに法廷で証言をしてもらうよう頼み(法廷では身分を明らかにしないといけないため、密入国者である事をカミングアウトする事になる)、ヒロインは証言を決心する
・その際にヒロインが、亡命前(=祖国が滅びる前)に自分と被告人と一緒に映った写真を御剣に渡す→証拠品として御剣受け取る
などといった事があった。この辺は詳しく書いているときりがないんで書かない。
上でも書いたけど、やっぱり合間に挟まれる御剣のモノローグが面白く、それでいて非常にテンポ良く話が進んでいくのが良かった。

2日目の法廷。
御剣検事と御剣(父)弁護士による裁判。
しばらく証言や尋問のやりとりがあったのち、検事の割に有罪判決を勝ち取ろうとするのではなく、あくまでも真実を追い求める御剣検事の姿に感銘を受けた御剣(父)弁護士が、共に真実を暴こうと御剣と協力することに。
そして大幅に端折るんだけど、裁判官が怪しいという話になり、裁判官が証言を行うという異例の事態になる。
「あなたは裁判官ではなくここでは1人の証人だ」という非常に無茶苦茶な台詞も、逆転裁判なら有りだと思ってしまうから不思議だ。
さすがは逆転裁判だと言わざるを得ない。

ヒロインが亡命前に撮った写真が決定打となり、ヒロインの父親である被告人の父親が裁判長であると判明。
更に、被告人が擁護していた真犯人は裁判長だったという事も判明!なんだこのゲームもびっくりな超展開!
こうして端折りながら文章にすると流石に無理があるように思えるけど、実際は所々にあった伏線を回収できていて特に違和感はなかった。

結局、被告人・ヒロイン・裁判長は密入国の罪で逮捕されることになるが、被告人は殺人事件に関しては無罪…というわけで、裁判官のいなくなった法廷にて、例の「無罪」テロップが表示されてエピローグへ。
なんでもありの逆転裁判とはいえ、これはかなり斬新だったね。

今までタイムトラベルしていたわけだが、最後には御剣は無事に現代へ戻って来ている。
この事件の経験から、宝塚版・逆転裁判2へと続いていく……という設定だそうだ。
2の内容は…昔にやったもんであまり覚えてないんだけど、改心した御剣が出ていたのは確かだ。
なるほど後付けとしては十分すぎるくらいよく出来ているな、と。

こんな感じの内容だった。
ストーリーはもちろん、様々な小ネタの面白さも合わせて考慮すると、今までで一番面白い講演だったと思う。
ちなみに、自分は逆転裁判4や逆転検事未プレイ(つまり1~3しかやってない)なんだけど、全く問題なく楽しめた。

ただし少し物足りないなと思ったのは、御剣が検事として裁判に参加したのは2日目からであるため、所謂「探偵パート」が無い(2日目法廷の時に「資料には全て目を通した」の一言で片付けられている)ことかな。
まぁこれに関しては、探偵パートを盛り上げる真宵ちゃんみたいな人物が不在だった(矢張は証拠品集めとか面倒な事するようなキャラじゃない)から仕方ないかなと。
タイムトラベルをしない話だとしたら、糸鋸刑事あたりと一緒に探偵パートやってたら面白いやりとりが見れたかもしれないなー。
もしかしたら、今作やたらと小ネタが充実してたのは、探偵パートが無いからギャグ成分を補完するため、だったのかもしれない……考えすぎ?

それにしても……宝塚版逆転裁判の次回作があるとしたら、名前は逆転裁判4となるわけだが……うーん、どうなることやら?
次回も予定が合えば(むしろ合わせてやる)是非観に行こう。そうしよう。
会場は女性99%だけど男だってちゃんと居るし、これを読んで興味を持った男性陣には是非観に行ってみて欲しい。面白いから!!

余談。
2日目の法廷シーンにて、御剣役の人が宝塚にしてはとても、凄く、大変、非常に珍しい事に、同じ台詞で3回詰まるというミスを犯しており、閉幕挨拶の時に謝っていた。
非常に貴重な瞬間に立ち会えた!と無駄に興奮してしまったね。

イベントレポート的なあれ, ゲームたのしいよ | 2コメント

『逆転裁判3 検事マイルズ・エッジワース』を観に行ってきましたへのコメント (2)

  • 1

    うさけ 曰く、

    はじめまして。
    レポ・・・楽しく読まさせて頂きました。
    バッド刑事は・・・逆転検事で登場する馬堂刑事です。
    イトノコさんの憧れの大先輩。
    音楽も馬堂さんだし、他にも検事の曲がふんだんに使われてて、嬉しかったです。
    ともちんと、れーれの身長差も萌えツボでした・・・^^@

  • 2

    piyopoppo 曰く、

    はじめまして。コメントありがとうございます!
    楽しく読んで頂けたようで幸いです。

    逆転検事は未プレイなので気付きませんでした……なるほど、あの格好いい刑事さんにはちゃんと元ネタが居たんですね。
    音楽は宝塚の逆転裁判の魅力の一つだと、1の頃からずっと思っていました。
    要所要所でのBGMはもちろんのこと、尋問開始とかのジングルまで使われているあたり、原作のゲームが尊重されてるなぁ、と嬉しくなりますよね。
    (逆転検事は未プレイですが音楽だけは知っていました)

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