そらのうきぶくろ

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ユグドラユニオンとかいうめっちゃ面白いゲームの話

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いまからユグドラユニオンとかいうめっちゃ面白いゲームの話をするんですけど、ユグドラユニオンとかいうゲームめっちゃ面白いんですよ。

このユグドラユニオンというゲーム、最初に出たのは2006年、GBA版。
当時、GBAゲームとしてはレベルの高いグラフィック・音楽が高く評価されたとかなんとか。
しかし戦略シミュレーションゲームとしては特殊なゲームシステムは人を選び、更に演出をスキップできない等のテンポの悪さをもって、某所では面白いクソゲーと呼ばれていたりもして。
それから2008年、PSP版が発売。
テンポの悪さは解消され、キャラクターボイスがつき、諸々のバランス調整等が行われた。
そんなPSP版を遊んだ感想を書いていこうと思う。
なるべく書かなかったつもりだけど、人によってはネタバレと思えるような事が飛び出すかもしれないので、読むのは自己責任で。

◆ゲームシステム

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このゲームを語る時、避けては通れないのがこれ。
ジャンルとしては所謂戦略シミュレーションゲーム(公式ではタクティカル・ファンタジーRPGとなっている)となっている。
同じジャンルで有名どころを揚げるならファイアーエムブレムとか。
ところが、「タクティクスカード」を利用するシステムによって、既存の戦略シミュレーションゲームとは一線を画すものになっている。
いや、一線を画すというのはちょっと美化しすぎた表現だった。
もっと分かりやすい表現で書くと「変態」だ。
(STINGのゲームに慣れた人からするとユグドラは大した事ないらしいけどこのゲーム十分変態的ゲームシステムしてると思うので敢えてこう書いておく)

まず最初のチュートリアルで驚くのが、毎ターンタクティクスカードを選択し、各カードに設定された歩数を全ユニットで共有するというシステムだろう。
タクティクスカードは消耗品であり、その枚数も各ステージ毎に上限が定められていて、全て使い切ったら敗北となる。
無駄な動きは許されないのはもちろん、場面によっては「移動用と割り切ってカードを使う」事や「あえて1ユニットだけ突出させる」……などの行動を考えていく必要がある。

上で「あえて1ユニットだけ突出させる」などと書いたが、ファイアーエムブレムでそんなことをすると大勢の敵に少しずつ削られてボコボコにされる事がしばしばある。
しかしこのユグドラユニオンとかいうゲームは違う。
戦闘に勝利さえすれば一切のダメージを受けないのだ。
負けなければ何ともないので、確実に勝利に持って行ける自信があるなら、どんどん突っ込んでいってもいい。
タクティクスカードに設定された「スキル」を効果的に使っていけば、そんなことも出来てしまうのである。
むしろ一人で戦った方が効率的な場面もあるほど。

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もちろん、一人で戦うだけがユグドラユニオンではない。
ユグドラユニオンのユニオンは団結のユニオンだからな。
何とこのゲームでは、敵味方ともに1ターンに1回しか攻撃を仕掛ける事ができないのだ。
その代わり「ユニオン」システムによって、陣形を組んだ味方と共に敵――もちろんユニオンを組んでくる――と戦う事ができる。
ユニオンの人数が少ない側は、「連戦ハンデ」というリスクを負うようになっており、一人で戦い続けるのは(できなくはないが)難しいように出来ている。

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受けたダメージは、次のマップ開始時に回復……という要素もなく、プレイヤーユニットの士気(HPみたいなもの)は全てのマップで引き継ぐ事になる。
稼ぎマップの類も一切存在しないうえに、マップに落ちていたり敵が落としたりイベントで入手するアイテムを消費しないと、士気を回復できないという漢らしい仕様。
おかげで、いかに負けないように動くか、と考える事となる。

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極めつけは、上で何度か出てきた「タクティクスカード」というものの存在。
実はこれ、「1ターンの移動歩数」「使えるスキル」、そして「勝利時に相手に与える士気ダメージ」に関係してくる超重要なものだ。
スキルには「昼間のみ」とか「特定のクラス専用」等の使用条件があったりして、効果的に使うには動かすユニットを慎重に考えなければならない。
更に、「勝利時に相手に与える士気ダメージ」はカードに設定されたPowというパラメータで決まるのだが、この数値は相手に勝利するたびに上昇していく。
つまり、カードのPowは育てる事ができる。
後半は敵の士気がインフレしていくので、カードのPowをいかに育てるかが重要になる。
「このカードを育てたいから敵はなるべくこのカードを使って倒そう」といった感じで計画を立てながらプレイする楽しさがある。

と、長々と書いてきたゲームシステムだが、これを理解してきたあたりからもうこのゲームが面白くて仕方なくなっていた
こんな感じでだらだら書き殴るとすげー難しそうなゲームに思えるが、チュートリアルはちゃんと用意されている。
複雑な要素もゲーム進行によって少しずつ解禁されるようになっているし、そのたびにチュートリアルで説明されるので、まったく理解できないという事はないはずだ。
このゲームシステムを理解し、それを利用した攻略手順を立て、実行に移し、成功した時の楽しさといったらもう、文字では表現しきれない。
まずは騙されたと思って製品版を買ってみて欲しい。

◆グラフィック

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かわいい。
女性キャラはもちろんのこと、おっさんまでかわいいというのはどういう事か。
戦闘時のドット絵は実に芸が細かく(PSP用に新たに作り直したらしい)、見事なものである。
ただ、ステータス画面のグラフィックに関してはやや流用が目立つ。
立ち絵のあるキャラクターに関してはクラス共通のグラフィックではなく固有のものが欲しかったところ。
(続編のブレイズユニオンではこの問題は解消されている)
あと、バトルフィールド画面がPSPのゲームとしてはチープな印象があるかもしれない……。

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ちなみに、グラフィックというには微妙かもしれないが、何かイベントが発生したときに画面の上に出て来るテロップの英語がいちいちかっこいい
英語だからと流さずに、分からない単語を訳してみると案外面白い。

◆ストーリー

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一言で現すならば「容赦ない」。
かわいらしいキャラデザインを採用しつつ、人がバタバタ死んでいくんだけど、まあ戦争を扱ったゲームだし。
とあるキャラクターの謎について終盤で判明する事があるんだけど、気付こうと思えば序盤から気付けただけにかなり驚いた。

それにしてもエンディング、道中いろんな事があっただけに、もうちょっとじっくり描写してくれてもいいんじゃないかなって思った。

◆音楽

元がGBAのゲームで、それのアレンジを行っているだけあって、少しだけレトロな感じがする。
それはそれとして、何と言っても豪華なのが、各プレイヤーキャラクターごとに戦闘BGMが用意されているということだ。
そのうち好きなキャラクターの曲が流れるだけで興奮するようになる。
とある重い事情を背負ったキャラクターがいるんだけど、その事情を汲んでか見た目に反して勇ましい音楽だったりするのがぐっとくる。
ほんの少ししか出てこないスポット参戦キャラクターにもやたらかっこいい専用BGMがついてたりして、妥協が全く感じられない。最高かよ!

プレイヤーキャラクターだけでなく、一部の敵キャラクターについても専用戦闘BGMが用意されている。(これは敵のターンで流れる)
某ボス格キャラクターの専用BGMは処刑用BGMと言われるほど、その強さとともにトラウマを刻み込んでくる。最高かよ!

◆不満点

大好きなゲームなんだけど、それ故に不満点をいろいろ挙げていくときりがないゲームだったりする。

・初見殺しが多い

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一番思ったのがこれ。

ステージ開始時にどのユニットを参戦させるか選べるんだけど、ユニットの配置によっては特定のユニットが甚大な被害を負うマップが存在する。
しかし何番目に選択したユニットがどこに配置されるか、という重要な情報が分からない。
(続編のブレイズユニオンだと分かるようになっている)

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次に装備品について。
そう、上のゲームシステムの項目で説明しなかった要素として、装備というものが存在する。
キャラクターに1種類だけアイテムを持たせることで、キャラクターのパラメータを変化させる他にも様々な特殊効果を得られるんだけど、消耗品扱いである。
例えばマップを2回クリアしたら消えてしまう、とか。装備品ごとに寿命が設定されている。
装備によっては、それを軸に戦術を立てられるレベルのものが存在するほどには重要である。
寿命があるのはまだいいんだけど、一度装備したら寿命がきて消滅するまでは外す事が出来ないのが、装備品が初見殺しである所以。
「あるマップに来た時にこの装備を使いたい」と思っても、既に装備してしまっている場合は変更ができないのだ。
なので、5マップ分保つアイテムとか装備した次のマップの事を考えると不安で、結局装備しないまま終わったりして……。
これを初見殺しと言わずに何というかのか。

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更に、戦況がコロコロ変わったりする。
これは実際にゲームをプレイしてる人じゃないと、ちょっと分かりにくい要素。
敵の撃破やターン経過など、指定の条件を満たすと必ずしもクリアではなく。
その場で戦況が変化し、勝利条件・敗北条件が変更されるという事がたびたびある。
戦況が変化した際、いままで使って来たタクティクスカードがまた使えるようになる事もあれば、そうでない場合もある。
つまり、どのタクティクスカードをどのタイミングで使うべきなのかは、初見のマップに限って言えば「やってみないと分からない」。

最後に、多くの移動力を要求されるマップの存在。
戦闘がほとんど発生せず、ひたすら移動を要求されるマップ(全ユニットを指定の位置まで移動しろ、とか)がある。
でも、次のマップがそのようなマップかどうかは「やってみないと分からない」。
たまたま移動力が低いカードで固めていた場合、ユニットの移動ができなくなってゲームオーバーになることも。

要するにこのゲーム、周回限定なのだ。
2周目以降じゃないと取れないアイテムや仲間すら存在するほど。
まあ面白いから周回しちゃうんだけどね。
これ書いてる人なんて、なんだかんだ4周もしてしまったし

・アイテムを拾うのが大変

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マップ上にアイテムが落ちている事がある。
ゲームシステムの項目で書いた通り、アイテムは士気の回復にも関わる重要なものである。
しかし、どのマスに落ちているかは分からず、拾えるかどうかの判定はユニットが移動を確定した時点で行われる。
つまり、普通に移動するとアイテムが落ちているマスを通り過ぎる可能性があるということだ。
これを防ぐために、1マス進む為に移動確定しつつ進まなければならず、テンポが悪い。

・クリティカルがクソ

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戦闘時に敵からクリティカルヒットをもらうと、どんな戦法を考えていようが関係なく、ほぼ負けが確定する。
確率は対戦相手とのLUKの差で変化するようだが、要するに運ゲーである。
もちろん、プレイヤーが敵を攻撃する時にもクリティカルを発生させる可能性はあるのだけど、基本的にプレイヤー側は「クリティカルが起きなくても勝てるように」動く。
(縛りプレイについてはこの限りではないが……)
むしろクリティカルが発生すると、敵が持っているアイテムをスキルで盗む前に倒してしまう事故が起きるなんてことも。
それに対して敵のクリティカルを防ぐ方法は一部の装備を使うくらいしかない上に、クリティカルを喰らった後の対策は無いのだ。
ほぼ、プレイヤー側が不快に思うだけのシステムになっていると言えるだろう。
これについては色んなレビューサイトで言及されていた。

◆結論

ゲームシステムは変態的だし、不満点はいろいろあるしで、普通に考えたら進んで人に勧められるゲームでは決して無いんだけど。
それでも私はこのゲームを愛してしまったんだ。
まず最初にNORMALモード、それからwikiを見ながらHARDモード、次にHARDモードで縛りプレイ、更にHARDモードで縛りプレイ、と計4周もしてしまうほどに愛してしまったんだ。
こんなに愛してしまった一番の理由は、ユニオンシステムを始めとした数々の要素によって構成されたシビアなゲームを攻略したときの達成感。これに尽きるだろう。
腕に覚えのある戦略シミュレーションゲーマーの方は是非、是非やってみてほしいと思う。
短いターンで攻略すると良いことがあったりして、やり込み要素もばっちりだし。
もちろん腕に覚えがなくても、リトライという素敵なシステムにより「詰み」が発生することはないので、かわいいキャラクターや魅力的な音楽から手を出してみるのもよし。
とにかく、ユグドラユニオンとかいうめっちゃ面白いゲームは本当に面白いのでよろしくな!!

最後に、専業主婦かわいい。専業主婦~~俺だ~~~結婚してくれ~~~~!!
以上。

ゲームたのしいよ | 4コメント

ユグドラユニオンとかいうめっちゃ面白いゲームの話へのコメント (4)

  • 1

    ウインディが好きすぎる 曰く、

    ユグドラ今私もめちゃくちゃはまってます笑

  • 2

    革命戦士 曰く、

    続編主人公のチャリオットで敵歩兵隊粉砕して回るのが爽快だった
    中盤、主人公の成長と共にATK伸び始めてからリーダー同士の一騎打ちがグッと楽しくなる

  • 3

    よらきり 曰く、

    うむ
    ブレイズ・ユニオンもおすすめだな
    STINGしんだんかなー

  • 4

    アイテムブレイクw 曰く、

    ブレイズまではバランスおかしいけど好きなゲームだったなー
    ただ炎帝がユグドラの時は敵だけどかっこいい覇王キャラだったのに
    後付過去のブレイズ正史ルートでかわいそうなワケありキチガイにされたのだけはヤだったな

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